30代女性に人気!鉄分不足解消の救世主「ヘム鉄」完全ガイド
「最近疲れやすい」「めまいがする」「肌の調子が悪い」こんな症状に悩んでいませんか?
このような症状は、鉄分不足が原因の可能性があります。特に、30代女性のなかには、仕事や家事に追われ、十分な食事が取れていない人もいるでしょう。そんな現代女性の味方となるのが、効率よく鉄分を補給できる「ヘム鉄」です。
この記事では、ヘム鉄が注目されている理由や効果的な摂取方法について解説します。鉄分不足に悩んでいる人は、ぜひこの記事を参考に、ヘム鉄の摂取を始めてみてください。
ヘム鉄とは
ヘム鉄とは、血液中のヘモグロビンの構成成分であり、主に赤身の肉や魚に含まれる動物性の鉄分です。
人体に必要不可欠な栄養素である鉄分のなかでも、吸収効率が高いとされています。一般的な植物性の鉄分(非ヘム鉄)と異なり、タンパク質に包まれた状態で存在するため、体内で効率良く吸収されるのが特徴です。
また、お茶やコーヒーに含まれるタンニンや野菜に含まれる食物繊維といったほかの栄養素の影響を受けにくいので、安定した吸収が期待できます。
ヘム鉄と非ヘム鉄の違い
ヘム鉄と非ヘム鉄の違いは以下のとおりです。
ヘム鉄 | 非ヘム鉄 | |
鉄分の種類 | 動物性の鉄分 | 植物性の鉄分 |
特徴 | ・消化吸収が良い ・胃腸への負担が少ない | ・食べ合わせで吸収率が変わりやすい |
身体への吸収率 | 高い(10~30%) | 低い(5%以下) |
代表的な食材 | ・赤身の肉 ・魚介類(カツオ、マグロ) ・レバー | ・ほうれん草 ・小松菜 ・豆類 ・海藻 |
食事の工夫 | 特別な工夫は不要 | ビタミンCや肉と一緒に摂ると吸収率がアップする |
ヘム鉄が注目される3つの理由
ヘム鉄が注目される理由は以下の3つです。
- 吸収率が高い
- 胃腸に優しい
- ほかの栄養素の吸収阻害を受けにくい
ヘム鉄は非ヘム鉄と比較して安定した吸収性が期待できます。ヘム鉄のメリットを理解して、積極的な摂取を検討しましょう。
吸収率が高い
ヘム鉄は、体内での吸収率が10〜30%と非常に優れているのが特徴です。一般的な非ヘム鉄は吸収率が5%以下であるため、5〜6倍の効率的な吸収が期待できます。
また、吸収率が高いことによって、少量の摂取でも効果的に鉄分を補給することが可能です。特に、効率良く鉄分補給ができるヘム鉄は、必要最小限の摂取量で十分な効果が得られるので、月経のある女性や妊婦にサプリメントの形で広く利用されています。
胃腸に優しい
ヘム鉄は、タンパク質に包まれた状態で存在するため、胃壁や腸管を荒らしにくいのが特徴です。
非ヘム鉄のように、むき出しの状態で胃腸を刺激することがないため、胃の不快感や吐き気などの副作用が少ない傾向にあります。一般的な鉄剤でよく見られる便秘や下痢といった消化器系の不快な症状も起こりにくく、長期的な摂取もしやすいでしょう。
胃腸が敏感な人やつわりで吐き気に悩む妊婦も摂取しやすいことから、医療現場での処方も増えています。
ほかの栄養素の吸収阻害を受けにくい
ヘム鉄は、食物繊維やタンニンなどのほかの栄養素による吸収阻害を受けにくいのが特徴です。非ヘム鉄の場合、お茶やコーヒーに含まれるタンニン、玄米や雑穀に含まれるフィチン酸によって吸収が妨げられやすいですが、ヘム鉄はこれらの影響をほとんど受けません。
また、体内のヘムオキシゲナーゼという酵素によって吸収量が適切に調節されるため、過剰摂取のリスクも低くなっているのもメリットです。ヘム鉄は、食事の内容に左右されず安定した吸収が期待できることから、注目が集まっています。
現代女性の深刻な鉄分不足
現代女性の多くが鉄分不足に陥っていており、20代から40代女性の47%が貧血または隠れ貧血の状態にあるとされています。特に、40代女性においては4人に1人が危険な状態といわれており、鉄分不足が深刻化しているのが現状です。
また、この10年で体内の総合的な鉄の量を表す貯蔵鉄(フェリチン)の平均値が半分まで減少していることから、日本人女性の鉄分不足は発展途上国レベルと言われるほど深刻な状況に陥っています。
鉄分不足の主な原因
女性の鉄分不足の主な原因は、以下のとおりです。
- 月経
- 極端な食事制限
- 過度な運動
女性の鉄分不足の最大の要因は月経による損失です。一回の月経で失われる鉄分量は20〜30mgにも及ぶ傾向にあり、通常時の2倍以上の鉄分が失われる計算になるので意識的なヘム鉄の補給が欠かせません。
そのほかにも、偏った食生活や極端なダイエット、激しい運動も鉄欠乏を引き起こす要因とされています。バランスの良い食生活を心がけ、健康的で無理のない生活を意識しましょう。
鉄分不足が引き起こす3つの症状
鉄分不足によって、主に以下の3つの症状が引き起こされます
- 慢性的な疲労感
- 美容トラブル
- メンタル面の不調
当てはまる症状がある人は鉄分不足の可能性があるので、積極的にヘム鉄の摂取を検討しましょう。
慢性的な疲労感
鉄が不足することによって、体内の酸素運搬能力が低下し、慢性的な疲労感から以下のような症状が現れます。
- 階段を上がっただけで息切れする
- 少し動いただけで動悸が激しくなる
- 急に立ち上がった時に立ちくらみを起こす
- 視界がぼやけてかすむ
また、体温調節機能も低下するため、手足が冷えやすくなり、夏でも靴下が手放せないといった状態になる人もいます。それだけでなく、免疫細胞の働きも弱まるので、風邪のような感染症にかかりやすくなり、治りも遅くなってしまうでしょう。
美容トラブルの増加
鉄分不足は以下のように見た目の変化にも現れます。
部位 | 変化 |
爪 | ・表面がでこぼこになる ・スプーンのように内側にへこむ ・もろくなってすぐに割れる |
髪 | ・コシやツヤが失われる ・抜け毛が急激に増加する |
肌 | ・肌の乾燥やくすみが目立つ ・唇の色が悪くなる ・顔色が青白くなる |
特に30代以降の女性は、鉄分が不足することによって美容トラブルが増加する傾向にあります。
メンタル面の不調
鉄分が不足すると、脳内の重要な神経伝達物質の生成が妨げられるため以下のようなメンタル面の不調が現れやすくなります。
- 仕事や家事に集中できない
- 些細なことでイライラする
- 夜眠れない
鉄分不足によって、やる気や意欲を高めるドーパミンや心を落ち着かせるセロトニンの分泌が減少し、記憶力の低下や気分の落ち込みを引き起こすとされています。
最近の研究では、鉄分不足が長期化すると、うつ症状やパニック障害のリスクが高まることもわかってきました。仕事や育児に追われる女性は、特に鉄分不足に注意しましょう。
妊娠・授乳期に必要な鉄分量
妊娠期には通常の3倍以上の鉄分を摂取しなければなりません。特に、妊娠中期・後期には1日あたり21〜21.5mgもの鉄分が必要とされています。
鉄分が不足すると、赤ちゃんの発育不良や未熟児、早産のリスクが高まる傾向にあるので、以下のような鉄分が豊富な食材を積極的に摂取しましょう。
食材 | 鉄分量 |
牛肉100g | 2.3mg |
ほうれん草100g | 2.0mg |
牡蠣70g | 1.3mg |
あさり30g | 1.1mg |
ただし、食事だけでは必要量を満たすのが難しいため、医師に相談のうえ、妊婦向けの鉄分サプリメント(10〜15mg)の併用を検討するのもおすすめです。
授乳期の注意点
授乳期の鉄分推奨量は8.5〜9mgで、月経がある場合は12mgまで必要量が増加します。授乳中は母乳に鉄分が優先的に移行するため、ママの体が鉄欠乏に陥りやすくなってしまうのが特徴です。
食事だけでは必要量を確保するのが難しいので、医師に相談のうえでヘム鉄サプリメントの活用を検討しましょう。サプリメントは、1日の目安量を朝・昼・晩の3回に分けて摂取すると、吸収率が高まり、胃腸への負担軽減が期待できます。
ただし、お茶やコーヒーと一緒に摂取すると吸収が阻害されるので、飲み合わせには注意が必要です。
アスリートと鉄分補給の重要性
運動をする女性は、鉄分不足のリスクが高くなるので、積極的な鉄分補給が欠かせません。1時間に2〜3リットルの汗をかく激しい運動では、1〜2mgもの鉄分が失われることもあります。
マラソンやサッカーなどの激しい運動の場合、足裏への衝撃で赤血球が破壊される「ランナー貧血」のリスクも高まるので注意しましょう。また、激しい運動による消化管からの出血や女性の場合は月経による鉄分損失も重なると、一般の人よりも2倍の鉄分摂取が必要とされています。
アスリートの推奨摂取量
日本体育協会では、女性アスリートは通常の1.5倍の鉄分摂取を推奨しています。一般女性の推奨量が10.5mgなのに対し、女性アスリートは15.8mgが目安です。
女性アスリートの鉄分の推奨摂取量は、激しい運動による汗からの損失とランナー貧血のリスクを考慮した数値とされています。食事での摂取例は以下のとおりです。
食材 | 鉄分量 |
豚レバー50g | 6.5mg |
牡蠣3個 | 3.9mg |
ほうれん草1束 | 3.6mg |
レバニラ炒めのように食材を組み合わせて補給するのがおすすめです。特に、持久系競技の選手は、鉄分不足のリスクが高くなるので、医師に相談のうえでサプリメント活用も検討しましょう。
効果的なヘム鉄の摂取方法
ヘム鉄は、食事とサプリメントの両方から摂取するのがおすすめです。それぞれの特徴を理解したうえで、生活に合った方法で効率良く摂取しましょう。
食事での摂取
効果的にヘム鉄を摂取するには、鉄分が豊富な食材を日々の食事に取り入れるのが重要です。以下のような食材を取り入れると良いでしょう。
食材(100gあたり) | 鉄分量 |
豚レバー | 13mg |
牛レバー | 6.1mg |
牡蠣 | 5.1m |
アサリの水煮 | 3.0mg |
カツオ | 1.9mg |
マグロの赤身 | 1.0mg |
牛肉や豚肉の赤身を使った料理を積極的に取り入れることによって、自然とヘム鉄を補給できます。また牛肉や豚肉の赤身には、ビタミンB12も豊富に含まれるため、相乗効果が期待できるでしょう。
サプリメントでの摂取
妊婦以外の女性のヘム鉄サプリメントの摂取量は、1日4〜10mgが推奨されており、市販のサプリは推奨範囲内で設計されているものがほとんどです。
サプリメントは、1日の目安量を朝・昼・晩の3回に分けて摂取することで、吸収率が高まり、胃腸への負担も軽減できます。ただし、お茶やコーヒーと一緒に摂取すると、吸収が阻害される可能性があるので、飲み合わせには注意しましょう。
特に生理中は通常の2倍以上の鉄分が失われるため、医師に相談のうえで摂取量を調整するのがおすすめです。
鉄分の吸収を高める栄養素の組み合わせ
鉄分の吸収を高める栄養素の組み合わせは以下のとおりです。
- ビタミンC×鉄分
- タンパク質×鉄分
吸収を高める栄養素と組み合わせることで、効率良く鉄分を摂取できます。避けたい組み合わせも意識して、摂取方法を考えましょう。
ビタミンC×鉄分
以下のような食材に含まれるビタミンCと組み合わせることで、鉄分の吸収率が大幅に向上します。
食材(100gあたり) | ビタミンC量 |
アセロラ | 1,700mg |
グァバ | 220mg |
赤ピーマン | 170mg |
黄ピーマン | 150mg |
ブロッコリー | 140mg |
キウイフルーツ | 140mg |
ほうれん草の炒め物にレモン汁をかけたり、小松菜のスープに酢を加えたりするのも良いでしょう。また、梅干しに含まれるクエン酸も鉄分の吸収を促進する効果が期待できるため、薬味として活用するのも効果的です。
タンパク質×鉄分
非ヘム鉄の吸収率を上げるには、動物性タンパク質との組み合わせが重要です。
たとえば、ほうれん草(2.0mg)を単体で炒めた場合の鉄分吸収率は約5%ですが、豚肉(100gあたり0.5mg)と一緒に炒めることで吸収率が15%以上向上するとされています。ほかにも、以下のようなレシピもおすすめです。
- ほうれん草と豚肉の炒め物
- 小松菜と鶏むね肉の煮びたし
- モロヘイヤと牛肉の炒め物
牛乳に含まれるカゼインから生成されるCPP(カゼインホスホペプチド)も鉄分の吸収を促進するため、シチューやクリーム煮といった料理も効果的です。
避けたい組み合わせ
以下のようなお茶類に含まれるタンニンは、鉄分の吸収を妨げる傾向にあります。
- 緑茶
- 紅茶
- ウーロン茶
タンニンが含まれる飲み物と一緒に食事をすると、鉄分の吸収率が最大50%も低下する可能性があります。また、玄米に含まれるフィチン酸や、ゴボウ・里芋・キノコ類などに含まれる非水溶性食物繊維も吸収を妨げる恐れがあるので注意が必要です。
ただし、通常の食事量であれば、過度に心配する必要はありません。鉄分を含む食事の前後30分は、タンニンの含まれる飲み物は避けましょう。
まとめ
鉄分不足は現代女性が抱える深刻な健康課題の一つです。特にヘム鉄は、その高い吸収率と副作用の少なさから、効果的な鉄分補給方法として注目されています。
日常的な食事での摂取を基本としながら、必要に応じてサプリメントを活用することで、理想的な鉄分バランスを保てるでしょう。
ただし、気になる症状がある場合は、自己判断せず、医師に相談するのがおすすめです。鉄分不足を感じている人は、毎日の食事とヘム鉄の適切な摂取で、イキイキとした毎日を過ごしましょう。